看護ケアのひとつとして、ターミナルケアが挙げられる。ターミナルケアとは、病気を患っている患者や高齢者など余命に限りが見えてきた人たちが、残された人生の時間を満足して過ごせるように行うケアのことだ。ターミナル期は、その人の人生の終わりを示唆するとともに、最期の生き方を当事者に決めてもらうデリケートな時期となる。人としての尊厳を守るための看護とも言えるだろう。
一方、高齢者の看取りもある。老健など高齢者福祉施設では、看取り可能といったキーワードを打ち出しているケースも少なくない。看取りとは、いわゆる終身のことだ。看取り可能とは、施設内で息を引き取るまで介護を引き受けることを示す。
ターミナルケアは、その人らしい終末期を送るために医療ケアを伴う。ここでの医療ケアとは薬物による痛みの緩和などのことを指し、緩和ケアがその代表例となる。看取りの場合は介護ケアが中心であり、日常生活を営むうえで必要な栄養や排泄といった介護が中心だ。人間の尊厳を保つために介護ケアを行う。介護の場合でも経管栄養や痰の吸引、褥瘡ケアなど看護師による医療行為が必要になることもあるが、いずれのケースも病気の治癒に向けた積極的な治療は行わない。
ターミナルケアも看取りも、終末期のケアには変わりはないだろう。その人らしい最期を迎えられるようサポートするケアになることも変わらない。しかし、それぞれ言葉の意味は大きく異なるため、混同しやすいが違いを覚えておこう。